次世代通信を実現するアンテナ設計

大容量・超高速通信の両方を実現する広帯域アンテナについて研究しています。

超広帯域MIMOアンテナの設計

 大容量・高速通信を実現するために注目を浴びている技術として、UWB技術とMIMO技術があります。 UWB(Ultra Wide Band)は通常用いられる帯域よりも広い帯域を用いて通信を行う技術のことです。通信容量は帯域に比例して増加することが知られているため、UWB技術を利用すると大容量で高速な通信が実現できる可能性があります。このUWB技術では、非常に広い範囲の周波数を用いて通信を行うため、通常のアンテナとは違う超広帯域で動作するようなアンテナの設計が必要です。 MIMO(Multiple Input Multiple Output)は送信データを複数に分割し複数のアンテナで同時に送受信を行う技術のことです。同じ周波数を用いて、複数のアンテナで同時転送できるため、大容量のデータを高速に伝送することができます。 私たちはUWB用のアンテナとして葉状ボウタイアンテナを開発し、更にそれをMIMOアンテナへと応用させた研究を進めています。

矩形ループアンテナを応用した2周波共用アンテナの設計

 矩形ループアンテナの1つであるヘンテナは、同程度のループ面積を持つ他のループアンテナに比べて利得が高いことが知られています。矩形ループアンテナ(ヘンテナ)は平衡型のアンテナ素子なので、通常アンテナへの給電も平衡型で行われます。その場合には、ループ長(ループアンテナ1周分の長さ)に対応した周波数で共振を起こすため、整合が得られる周波数も当然1つだけとなります。しかし、このループアンテナを不平衡給電した場合は、2周波で整合が得られることが示されており、アンテナの2周波共用化が可能となります。 私たちは、矩形ループアンテナを2周波共用化へと応用させるだけでなく、これらのアンテナのMIMO化や、寄生素子を取り付けた更なるアンテナの高利得化などの研究も行っています。